新型コロナウイルスワクチンの高齢者接種が全国各地で開始されています。
最近、ワクチン接種についてのオンライン診療も増えてきました。
そこで、今回は、2021年5月24日時点の新型コロナウイルスワクチン接種の準備について解説をします。
ワクチン接種を受けられない人/ワクチン接種に注意を要する人を確認しましょう。
ワクチン接種を受けられない人は、
1. 明らかな発熱を呈している人(37.5℃以上)
2. 重い急性疾患に罹っている人
3. ワクチン成分に対して重度のアレルギーがある人
4. 上記以外で、ワクチンを受けることが不適当な状況にある人
の4つに該当する方になります。
ワクチン接種に注意を要する人は、
① 血をサラサラにする薬(ワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなど抗凝固薬)を服用している人、または血小板減少症や血液の病気(血友病など)のある人
② 過去に免疫不全の診断をうけた人、近親者に先天性免疫不全の方がいる人
③ 心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発達障害の基礎疾患がある人
④ 過去に予防接種を受けて、接種2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた人
⑤ 過去に痙攣を起こしたことがある人
⑥ ワクチンの成分に対して、アレルギーが起こるおそれがある人
とされています。
# ワクチン接種に注意を要する人は接種前の医師への相談をしましょう。
• 予診票の「現在、何らかの病気にかかって、治療(投薬など)を受けていますか?」
で「はい」に該当する方は、ワクチン接種前にかかりつけ医または専門医への相談をしておきましょう。もちろん、該当しても相談していない場合(「いいえ」にチェックの場合)は、ワクチン接種時の問診医が確認します。ただ、短時間に多くの方に接種が求められている状況ですので、できる限り事前に相談しておくことをお勧めします。
上記のワクチン接種に注意を要する人への対応等
i. ①の方は、接種後の出血に注意が必要になります。
ii. ②の方は、データが十分なく、専門医との相談が必要になる場合があります。
iii. ③の方は、基礎疾患が増悪している場合、全身状態が悪い場合は、延期などが検討されます。
iv. ④の方で、1回目の新型コロナワクチン接種でアナフィラキシーショックを呈した方はワクチン接種を受けられない方になりますが、それ以外で④に該当する方は、接種後に少なくとも通常より長い(30分)の会場での経過観察が必要になる可能性があります。
v. ⑤の方は、てんかん患者さんが多く該当しますが、てんかんによりワクチン副反応が多くなるという根拠となる臨床研究データはありせん。しかし、副反応の発熱により、発作が起こりやすくなる可能性は考えられます。
vi. ⑥の方で、新型コロナウイルスワクチンの成分であるポリエチレングリコールに対する重度のアレルギーをお持ちの方は、接種を受けられない方に含まれますが、それ以外で⑥に該当する方は、少なくとも通常より長い(30分)の会場での経過観察が必要になる可能性があります。
参考:
第44回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 資料1-1
「新型コロナウイルスワクチンの接種順位等について」
予診票の様式
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_yoshinhyouetc.html
ファイザー社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html
武田/モデルナ社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_moderna.html
Covid-19 Vaccine —Frequently Asked Questions
https://www.nejm.org/covid-vaccine/faq
新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンとてんかんをもつ人
https://www.ilae.org/patient-care/covid-19-and-epilepsy/covid-19-vaccines-and-people-with-epilepsy/covid-19-vaccine-japanese
※この記事の内容は2021年5月24日時点での情報です。
状況は常に変わっておりますので、必ずしも最新の情報を掲載しているとは限りません。