今回は、前回の新型コロナウイルスワクチン接種の準備に引き続き、診察で質問の多くなっている新型コロナウイルスワクチン接種の副反応(2021年5月31日時点)について解説します。
# 新型コロナウイルスワクチンの副反応の症状と出現する確率は?
厚生労働省ホームページおよび(コミナティ®)添付文書の報告では、下記の表のように公表されています。
また、「新型コロナワクチンの投与開始職の重点調査(コホート調査)」における健康観察日誌集計の中間報告(6)【日本で先行接種をうけた約2万人の方の日誌をベースとした新型コロナワクチン接種の安全性調査】では、
1回目接種後発熱(5℃以上)は3.3%
2回目接種後発熱(5℃以上)は38.5%
接種後発熱する場合は翌日が多く、接種3日目に解熱する傾向
接種部の痛みは1回目接種、2回目接種とも90%以上が自覚
接種部の痛みは接種翌日に頻度が最も多く、接種3日目に軽快する傾向
頭痛は1回目接種後が約20%、2回目接種後が約50%
全身倦怠感は1回目接種後が約20%、2回目接種が約70%
接種後副反応の発現率は若年者・女性で高い傾向
と新型コロナワクチン接種後副反応の特徴が報告されています。
埼玉県のホームページにある新型コロナワクチンについてのパンフレットでは、副反応の時期や持続時間についての情報(下図)が掲載されています。
# ワクチン接種後に副反応が出た際はどうする?
- 発熱の副反応については、ほとんどの場合は数日以内で治まるとされていますが、症状を和らげるために解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を服用して対応するのもよいとされています。「新型コロナワクチンの投与開始職の重点調査(コホート調査)」の報告では、2回目接種後発熱で解熱鎮痛剤を使用したのは3%で、12.7%がアセトアミノフェンを使用し、ロキソプロフェン併用が1.3%、ロキソプロフェン単剤が0.6%と報告されています。ただし、ワクチン接種前に発熱予防目的に解熱鎮痛剤を服用することは、推奨されません。米国疾病予防管理センター(CDC)も、ワクチンの効果への影響がわかっていないため、予防目的の解熱鎮痛剤服用を推奨できないとしています。
- 2日間以上発熱が続く場合、症状が重い場合、発熱以外に咳や咽頭痛、味覚・嗅覚の消失、息切れ等の症状がある場合などは、医療機関への受診または相談をしましょう。
- 接種後に副反応の症状が見られる場合、看護師、保健師等に相談のできるコールセンターが自治体ごとに設置されていますので、相談しましょう。東京都では、東京都新型コロナウイルスワクチン副反応相談センター(電話番号:03-6258-5802)が24時間体制で相談受付を行っています。
参考:
厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/all/
ファイザー社の新型コロナワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_moderna.html
新型コロナワクチンの投与開始初期 の重点的調査(コホート調査)新型コロナワクチンの投与開始初期 の重点的調査(コホート調査)
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000784442
米国CDCのmRNAワクチン使用に関する暫定的見解
https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/clinical-considerations/covid-19-vaccines-us.html
東京都福祉保健局 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について(都民の皆様へ)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/coronavaccine
埼玉県ホームページ:新型コロナウイルスワクチン接種について
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0710/covid-19vaccination
※この記事の内容は2021年5月31日時点での情報です。
状況は常に変わっておりますので、必ずしも最新の情報を掲載しているとは限りません。