糖尿病とは?ABOUT
食事をすると血液中の糖が一時的に上昇しますが、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンにより、時間経過とともに正常値にもどります。しかし、インスリンの分泌不足やインスリンの作用不足により、血液中の糖(血糖)が高値で持続する疾患を糖尿病と言います。大きく分けて、膵臓でインスリンを作るβ細胞が破壊されて、インスリンが分泌されないために起こる1型糖尿病と食べ過ぎ・飲み過ぎや運動不足、ストレスなどによりインスリン分泌が低下したり、インスリンに対する反応性が低下したりすることにより起こる2型糖尿病があります。日本人の9割は2型糖尿病と言われています。
糖尿病の症状は?SYMPTONS
糖尿病の初期のころは無症状が多いのですが、放置し病気が進行すると、失明に至ることもある糖尿病網膜症、透析治療などが必要になる糖尿病腎症、壊疽(えそ)を起こして足や手を切断することもある糖尿病神経障害の「三大合併症」につながることもあります。また、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の大きな危険因子となることがわかっています。
糖尿病はどうやって診断するの?DIAGNOSIS
血液検査におけるHbA1c(ヘモグロビン エー ワン シー:1~2ヵ月の血糖値の変動を反映した指標)、空腹時または食後血糖値、75gOGTT(75グラムのブドウ糖を溶かした水を飲んだ後に血糖値を測る検査)を組み合わせて診断します。基本的は2回の検査を行います。下記の4つのうち一つでもあれば、糖尿病疑い(糖尿病型)と判断されます。
- 早朝空腹時の血糖値が126㎎/dl以上
- 75gOGTTで2時間後の血糖値が200mg/dl以上
- 随時血糖(時間に関係なく測定した血糖)が200mg/dl以上
- HbA1cが6.5%以上
糖尿病疑い(糖尿病型)と判断された後に、もう一度検査を行って、①から④のうちどれかを認めると、糖尿病と診断されます。ただし、①から③のうち少なくとも一つと④が同時に確認された場合は、1度の検査で診断されます。
糖尿病と言われたらINSPECTION
糖尿病は現時点で完治する病気とはいえません。ですから、合併症を起こさない、今ある合併症を悪くさせないで、うまく付き合うことが重要になります。そこで、まずは、併存症、リスク評価および合併症がないかを評価します。血液検査や尿検査で腎臓の働きを評価したり、網膜症を評価したりすることが必要になります。また、命に関わる動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞)の評価として、合併症については、心電図、心臓エコー検査、頸動脈エコー検査、運動負荷心電図検査、ABI検査(閉塞性下肢動脈硬化症を評価する検査)などが必要になります。
糖尿病の治療TREATMENT
糖尿病による合併症を起こさないために、また、合併症のある方はそれを今より悪くしないために、血糖コントロールことが重要です。血糖値をコントロールするには、まず食事、運動が基本です。それでも不十分な場合に薬による治療があります。また、高血圧や高コレステロールの治療は糖尿病の合併症の治療にもなります。
食事療法
からだに取り込まれる糖の量やエネルギーのバランスなどを調整することが基本になります。
運動療法
筋肉に影響して糖を取り込みやすくし、脂肪を減らすことで、インスリンの効果が出やすいことなど
糖尿病に対する当院の取り組みINITIATIVE
- 糖尿病は、生活習慣の修正が何よりも重要ですので、早朝または朝のオンライン外来を受診頂くことだけで、生活習慣の是正の重要な一歩が踏み出せます。
- 糖尿病は合併症評価が重要になりますが、当院では専門医による直接の診察・検査で心電図や心エコー評価、運動負荷心電図(狭心症を評価する検査)、ABI検査などを1回の受診でなるべく短時間で実施し、オンラインで結果説明をするスムーズな診療が可能です。
- 糖尿病は合併症を起こさない、今ある合併症を悪くさせないで、うまく付き合うことが重要ですが、専門医のハートチームアプローチで合併症の評価、治療提案を行っています。